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宮之上貴昭執筆による長期連載


by ymweb
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卒業の日

《前回までのあらすじ》

自転車日本一周旅行を終えて高校生活に戻ったものの、
勉強そっちのけでギターにいそしむ毎日。
そんな高校生活も終わりに近づいたころ、
担任の先生から重大なことを告げられます。

「宮之上! お前落第だな!」

ヒェ~~ Σ(゚Д゚)

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入学する時には受験テストが仮に0点でも入れるくらい
内申書の成績が良かったものの、
ジャズとギターのことしか頭にない生活が続いたため
当然ながら成績はどんどん下がっていきました。
それ以上に問題だったのが授業の出席率でした。

先生から現実的な問題を指摘されてあわてましたが、
この先授業一日も休まず、
すべて出席すれば何とか卒業出来そうとのこと。

残された授業を仕方なく?全部出席して、
無事に卒業の日を迎えることになりました。

どういう訳でしょう、
一緒に卒業するはずのクラスメイトは
皆わたしに拍手を送っています。(-ω-)/


こうして天下御免となりました。(^_^)/~

自宅で生活しているので衣食住の心配もなく、
これからはジャズとギターを存分に学んで楽しむことが出来ます。

そんなある日のこと、音楽仲間からの情報で、
キャバレーのバンドリーダーがギターを募集しているとのこと。
オーディションを受けるために八王子まで出かけました。

訪れたキャバレーの控室は
初めて嗅ぐ独特な臭いに満ちていました。

エレベーを持ったバンマスが
「みやのうえ君、だね?!」

「何か演歌弾ける?」

"(-""-)"

つづく。


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# by ymweb | 2016-07-09 14:44 | じゃずぎたりすと物語

【初のバンド結成!】

【初のバンド結成!】

日本一周の自転車旅行でしっかり体力と根性を養い
学校の勉強ではなくジャズギターの練習にいそしみました。
毎日毎日、朝から晩までギターに触らない日はありません。

自分のバンドを作りたいと考えて、
同級生には無理やりコントラバスを買わせて教えたり、
スイングジャーナル誌の「メンバー募集」欄でバンドのメンバーを募集しました。
生意気にもオーディションなんかして、
家の近くの集会場を音楽スタジ代わりに借りて練習しました。
【初のバンド結成!】_e0095891_13352425.jpg

※写真は当時のメンバーで、
右が久島勝則(ds)左が斉藤康彦(b)中央の不良がわたし(g)です。

その後ピアニストも募集してジャズの研鑽を積んでいました。
【初のバンド結成!】_e0095891_1335534.jpg

※左は田中満秋(p)、右は斉藤康彦(b)中央のイケメンがわたし(g)です。

そんな高校生活も終わりに近づいたころ、
担任の先生から重大なことを告げられます。

「宮之上! お前落第だな!」

ヒェ~~ Σ(゚Д゚)

波乱含みで つづく


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# by ymweb | 2016-07-07 13:36 | じゃずぎたりすと物語
【じゃずぎたりすと物語再開!】


「じゃずぎたりすと物語」
愛読してくださっている方に感謝します。
続編を書いていきますが、
自転車旅行記が長くなりました。( `ー´)ノ
じゃずぎたりすと物語再開!_e0095891_11523298.jpg


そもそも何故自転車で日本一周することにしたのでしょう。
では2007年の記事に戻すことにしましょう。
ジャズギタリスト目指す宮之上貴昭、
15歳の時の出来事です。

■じゃずぎたりすと物語
第16話【大きな進歩】

初めてのジャズギターを手にして、
相変わらずレコードを聴いては片っ端からコピーする毎日。
フレーズやコードもレコードに合わせれば
同じように弾けるようになったものの、
一体どこでこのフレーズを使うことが出来るのか
よく解かりませんでした。
コピーしたその曲でなければ適用できないのです。
それで、大筋でコード進行の解かる〈ブルース〉のソロを中心に勉強することにしました。
この練習方法はどうやら大正解だったようです。
同じキーのブルースをコピーしていくうちに、
コードに基づく特定のスケールの法則を発見することが出来ました。

考えてみれば私は兄の影響で古賀正男から入りました。
演歌は曲の構成のそのほとんどが分散和音です。
「そうか、このコードの時にこの音が使えるのか!」
そんな私がコードに基づくフレーズを理解することは比較的簡単でした。
ギターの演奏に固執することなく、ブルースの入っているレコードを選んでは
自分の好みのフレーズだけをピックアップしてコピーして弾けるようにしました。
じゃずぎたりすと物語再開!_e0095891_11575874.jpg

そんなある日、また一つ大きな発見をしました。
スタンダード呼ばれているたいていの曲はその終わりの部分で
ブルースで使ったのと同じようなフレーズが使われていることに気が付いたのです。
それは後に解かったことですが、ジャズのフレーズの基となる、
いわゆるⅡ・Ⅴ・Ⅰのコード進行だったのです。

このことを理解したということは、それまでひたすらコピーしてきたフレーズは
単なるジャズのムード向上や指の運動に終わった訳ではありません。
そうです、
コピーしたフレーズのほとんどを有効に活用できるのです。

たちまち多くのフレーズをブルースに当てはめて弾くことが出来て、
しかも〈枯葉〉などのスタンダード曲にも適用出来るまでになりました。
これは大きな進歩です。

たいていの幼い子がそうであるのと同様に、1歳まではほとんど会話が出来ませんが、
2歳になったとたんに堰を切ったようにいろいろな単語を並べて話をし始めます。
それまで表現できなかった文法や単語を心の中で蓄積させ、
ある時期に表現の方法が見つかると突然話し始めるのです。

私の場合もそれと似ているような気がします。

ただ単にフレーズを当てはめて弾くという練習方法を行っているうちに、
同じコード進行内ではフレーズ同士を途中からスイッチして演奏することや、
休符を入れて、残りを16分音符にして弾くことが出来ることにも気付きました。
これは素晴らしい進歩です。

とはいえ、それまで蓄積してきたコピーしたフレーズの量が極めて多いので、
この練習には終わりが無く、考えれば考えるほど気が遠くなる作業でした。
実際のところ私の頭の中は四六時中ジャズのことで一杯でパンクしそうでした。


季節は梅雨になりました。
梅雨が明けると高校生活初めての夏休みがやって来ようとしています。
学業ではなく、ギター生活にかなり疲れていました。
はっきり言って弾き過ぎです。
じゃずぎたりすと物語再開!_e0095891_11572349.jpg

それで、この夏休みの期間はギターから少し離れて充電期間を設けようと考えました。
部屋に引きこもってギターだけに焦点を合わせた生活から離れることは、
後になって自分のための良い音楽につながると思いました。

そうです、音楽とは無縁の状況に身を置くことを決意しました。
それは精神的にも肉体的にも鍛えられる方法です。
その方法とは誰もが「あまりにも無謀」と口を揃えるものでした。

自転車で日本一周を計画したのです。                  
じゃずぎたりすと物語再開!_e0095891_11554826.jpg

  
                       つづく

それでは今後、いかにしてプロになっていくか、
続編もお楽しみに!




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# by ymweb | 2016-07-07 11:58 | じゃずぎたりすと物語

【感動ゴール!】

9年間かけて書いている「じゃずぎたりすと物語」
続編を執筆再開しています。

「じゃずぎたりすと物語」は、私がギターを始めるきっかけから
プロのジャズギタリストになるまでの出来事を、
おおよそ史実に基づいて書いています。
【感動ゴール!】_e0095891_1812815.jpg

このところ、人生においての大きな思い出となった
「自転車日本一周旅行記」の話が長くなっていますが (ーー;)
私にとって15歳~16歳にかけての自転車日本一周旅行は、
体力作りはもとより、
根性や気力といった精神態度の原点ともなっています。
【感動ゴール!】_e0095891_1834626.jpg

しかしこの自転車旅行記も今回で終了です。
※自転車旅行記はその時に書かれた日記や写真を参考に、
史実通りお伝えしています。
【感動ゴール!】_e0095891_184699.jpg

※初めて読まれる方は是非第一話からお読みください。
http://ymweb.exblog.jp/


【感動ゴール!】

1970年9月2日(水)

部屋に泊めてくれたお兄さんが
わたしが起きたのに気づきました。

顔を洗いながらこちらを見て「おはよう!」 
その後にカーテンを開けて彼女が起きてきました。
【感動ゴール!】_e0095891_1844834.jpg

※写真はイメージです。

「おはよう、眠れた?」
ネグリジェ姿の女性が目の前に。Σ(゚Д゚)

16歳の宮之上少年、
目のやりどころに困りました。|д゚)
【感動ゴール!】_e0095891_1855075.jpg

※写真はイメージです。

二人とも仕事に出かけるようです。
わたしは二人が出かける前にお礼を言って出発しした。
今日が日本一周自転車旅行一人旅のラストランです。!(^^)!

前橋から本庄、いよいよお隣の埼玉県に入りました。
熊谷から東松山、川越から狭山湖、
そして多摩湖で県境を越えて東京都に入りました。
【感動ゴール!】_e0095891_1862658.jpg


帰って来たぞ~~ (^_^)/~

これまでは走ると必ず山や海に出会いましたが、
走っても走ってもずっと街なか、東京なのです。

辺りが薄暗くなるころ立川から日野橋を越えて、
わたしの住む日野市に入りました。
いよいよゴール間近です。

甲州街道を左折して家の前をちらっと見たけど通り過ぎ、
そのままゆっくり豊田駅の小さなロータリーを一周してから家に帰ります。

これは南日本を一周したゴールの時と同じです。
自分なりの「凱旋帰郷」なのです。(-ω-)/

どうしたのでしょう、
わたしの目から大粒の涙が溢れ出しています。( ノД`)

家に着きました。

南日本と北日本を100日間共に周り、
思い出も共有した愛車レッド号をしばし見つめ、
丁寧に駐輪させました。
見ればサドルはボロボロになりスタンドも折れています。
家のチャイムを押しました。


「ただいま~」



〔この日使ったお金〕 パン4個¥80 牛乳¥30 アイスクリーム¥30 
合計¥140



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【自転車旅行記を振り返って】

高校の夏休みを使った100日に及ぶ自転車旅行でした。
【感動ゴール!】_e0095891_1882424.jpg

美しい景色、人情、
恋もありましたしアクシデントもたくさんありました。
【感動ゴール!】_e0095891_1892022.jpg


お寺や神社にもたくさんお世話になりました。
【感動ゴール!】_e0095891_18332074.jpg

目標に向かっての達成感は半端でなく嬉しかったです。
そして強健な体力作りの源となったに違いありませんし、
根性も少しは鍛えられたかもしれません。
【感動ゴール!】_e0095891_1811496.jpg

反面、バイクや車で旅をしている人たちに対して、
「ふん、俺は自力の自転車だぞ!」みたいなエゴとか、
変なプライド観を養ってしまったかもしれません。
ジャズギターで例えるなら
「俺は親指一本で弾いているんだぞ」みたいな。
こういう考え方はけっして褒められたものではありませんね。
【感動ゴール!】_e0095891_18134276.jpg

出会う人の優しさにたくさん触れました。
しかし、それが当然のものと考えてはいけません。
最後の方は、はっきり言って甘えすぎでしたね。(-ω-)/
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タバコも吸ったしパチンコもしました。
【感動ゴール!】_e0095891_1818018.jpg


自転車旅行にお金はどれほど持って行ったか分かりますか?

南日本、北日本を一周するのに
それぞれ1万5千円ほどでした。

これは自分の小遣いをコツコツ貯めたもので、
親の援助は受けませんでした。
考えてみれば親も親ですね、
旅に出るのにいくら持って行くのか尋ねませんでした。"(-""-)"
しかも使い切らずにケチ作戦したのには理由がありました。
家に戻ったらジャズのレコードを買いたかったのです。
【感動ゴール!】_e0095891_18182394.jpg


自転車旅行の経験は良きにせよ悪しきにせよ、
現在におけるわたしの性格や行動、
音楽に反映されているに違いありません。

自転車旅行記に多くの時間を費やしましたけど、
これまで熱心に、そして楽しみに読んでくださった方々に
お礼を申し上げます。

しかし【じゃずぎたりすと物語】 まだまだ終わりません、
というか、これからが本題です。(^^♪
【感動ゴール!】_e0095891_1819660.jpg


また書いていきます。
引き続きお楽しみください。

宮之上貴昭



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# by ymweb | 2016-06-27 18:30

【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】

【最後の難所Ⅰ】

1970年8月31日(月)

朝7時に起きて家の方に挨拶に行くと、
そこにはオルガンがおいてありました。('_')
【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】_e0095891_17452452.jpg

もちろんギターのようには弾けませんが、
出発までの短い時間、触らせてもらって弾きました。
家路が近くなってくるとジャズのことが気になってたまりません。
ギター弾きたいです。( ノД`)

今日は峠を越えて本州を縦断するつもりでペダルを漕いでますが、
「痛い!」 Σ(゚Д゚)
湯沢町まで進んだころ足が痛んできました。
事故に遭った時に擦りむいた右足でした。

当初は擦り傷だけの外的な問題だと考えていたのですが、
打ち身もあったみたいで、今頃になって腫れ上がって来ました。
これではあまり進むことが出来ないかもしれません。('Д')

今日は夏休み最後となる31日、明日は二学期の始業式です。
ずっと自転車旅行とジャズのことしか頭になく、
学校なんてどうでも良いという気持ちもありましたが、
現実に戻ることを考えると思いは複雑です。(*_*)

そんな中、愛車レッド号は塩沢、そして湯沢の街を過ぎ、
最後の難関である越後山脈に差し掛かって来ました。
しかし右足がカクカクして痛みは限界に近づきました。

ふと道路の右手に集落が見えます。
【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】_e0095891_17461894.jpg

今日の走行はあきらめて、この辺りに宿営しようかと思います。
※日記にはこの場所が湯沢町大字神立芝原と書いてあります。

古ぼけた神社があります。
【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】_e0095891_17465535.jpg

この敷地にテントを張ろうとして、
近くで農作業していたおばさんに聞きました。

「ここにテントとか張っても大丈夫ですかね?」

そのおばさんは怪訝な顔をしてわたしを見つめ、
「そんなもんダメだ!シッシッ!」
そう言って手で迷惑そうにわたしを追い払いました。
(静かに生活しているのによそ者が来て何かあったら大変だ)
うん、わかるような気がします。('_')

半分あきらめかけて集落を出ようとした時でした。
「にいちゃん!」
隣で畑仕事をしている別のおばちゃんから声がかかりました。
【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】_e0095891_17471847.jpg

※写真はイメージです。

「家に泊まるか?」
(^◇^) 何と嬉しい言葉でしょう。

そのおばちゃんの家に上がり込み、
傷を冷やしているとワイルドなご主人が帰宅しました。
黄色いヘルメットをかぶっていたので、
土木作業の仕事をしているに違いありません。

無口なご主人は、わたしがどこから来たのか、
何しているのかまったく興味のない様子でした。(*_*;
でも黙って映りの悪いテレビを見ながら
わたしにビールを注いでくれて、
ご飯とうどんもご馳走になりました。。(^^)/

静かな山里の集落。
まだ足は痛いですけどひっそりと眠りに就きました。

〔この日使ったお金〕 牛乳¥35 アイスクリーム¥30 合計¥65


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【最後の難所Ⅱ】

1970年9月1日(火)
ご主人が仕事に出かける音で目が覚めました。
考えてみれば今日は高校の始業式 |д゚)
足の腫れも引いたようなので今日は走れるところまで行きたいと思います。

しかしここは越後山脈の麓、
三国峠越えが最後の難関になりそうです。

お礼を言って出発。
いきなりの急坂も自転車から降りることなく、意地でペダルを漕ぎました。

涙が出るほど辛い上り坂の連続でしたが、
やっとのことで三国トンネルをくぐり、峠を越えました。
【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】_e0095891_17483643.jpg


気持ちいい~~~
下り坂は自転車の醍醐味です。
この気持ち良さを体感するために上り坂を頑張れるのです。
厳しい練習した後にそれが実践で活用されることと共通・・・
こじつけかな(*^^*)
【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】_e0095891_17512417.jpg


こうして愛車レッド号は赤谷湖から猿ヶ京、沼田に進み、
渋川を抜けて前橋まで来たところで陽が傾いてきました。

交差点で地図を見つめていたところ、
知らないお兄さんが「どこまで行くの?」と声をかけてきました。

日本一周しているなど事情を話して、
今夜泊まれそうなところを探していると言うと、
「うちでよければ泊まんなよ!」と優しい言葉。
一緒に家までついて行きました。
そんなに広くないアパートでした。

外に出て定食をご馳走になり、部屋に戻ると若い女性がいました。('_')
どうやら彼女と同棲している様子。
当然のことながら二人は自転車旅行のことを興味深く聞いてきました。

二人が寝るベッドにはカーテンがあり、締めていましたが、
疲れていたのでガソゴソという音は気にならず?(*_*;
しっかりと寝ました。(^_^)

いよいよ明日は自転車旅行最終日、ゴールです。
ギター弾けます、両親に会えます。!(^^)!

〔この日使ったお金〕
パン2個¥40 牛乳¥35 アイスクリーム¥30 合計¥105




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# by ymweb | 2016-06-25 17:51 | じゃずぎたりすと物語