ギターの練習は続きます。
国立(くにたち)には国立音楽大学があって、キャバレーで一緒に演奏していたドラマーの宇谷君が在籍した打楽器科教室もありました。
その木造校舎の教室をスタジオ代わりに使って週に何度も通い、アドリブやリズム、コードのことなどを仲間と研究しました。

ビブラホンの大井貴司やベースの山口和与など、現在も現役で活躍するミュージシャンは、ここで腕を磨いた仲間です。
こうした研究の場は腕を磨くだけでなく、知り合ったミュージシャンとバンドを組んで「ジャズ喫茶」(当時はライブハウスとは呼ばず、こう言ってました)に出演したり、キャバレーの募集状況など、情報交換の場所ともなりました。
そのコネクションから「ジャズ喫茶」の出演が少しずつ増えて、キャバレーはトラを入れて(休んで他の人を頼む=エキストラの略語)、本質のジャズに打ち込んで行くことになりました。
しかし、一人暮らしの生活もあるので、キャバレーの演奏はもちろん、「喫茶モダン」のバイトも欠かせません。
モダンはたくさんレコードがあるので聴き放題なのが嬉しいし、勉強になります。
そんなある日のこと、
モダンでコーヒーを淹れていると、初めて見る女性がカウンターの向かいの席にちょこっと座り、コーヒーを注文しました。
ショートヘヤーが良く似合うとてもキュートな女性です。

相方のウェイトレスの勝手(かつて)さんが、
「あら?マキちゃん、久しぶり!」
ふ~ん
「マキ」って言うんだ。。。。。。。
わたしはこの女性に少し興味を惹かれました。
そして。。。
つづく