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宮之上貴昭執筆による長期連載


by ymweb
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朝起きると、部屋にはギターが置いてある。

チョウチョの模様はいかさないけど、小振りで、
初めて触るギターとしては向いているのかもしれない。

ド  レ  ミ ファ ソ ラ シ ド ド シラ ソファ ミレド ドレミ ファ ソラシド ド シラソ ファミレド ドレミファ ソラシド ドシラ ソファミ レド ドレミファ ソラシド ドシラソファミレド ドレミファ

学校に行く前に早速練習を始める。

これはきっと私の性格なのだろう、練習方法はとにかくしつこい。
右手の親指はすでに赤く腫れてきているし、左指には弦の跡がくっきり。
指は痛いけど、でも何だか楽しい。

「よしあき!ご飯食べる時くらいギター置きなさいよ!」
母の小言も無視して、箸を持ったままギターを抱えて、爪弾いてはご飯を一口。

ご存知の通り、ギターはピアノと違って、タッチしただけでは音が出ません。
意図する音を出そうとする場合、左指で「ド」なら「ド」のポジションを押さえて、
右指で左指の押さえた弦を正確にヒットする必要があります。
これがなかなか難しくて、押さえている隣の弦を弾いてしまいます。
もどかしいながらも、時々きれいに弦をヒットできて、早いパッセージで「ドレミファソラシド~~」と弾けた時は何だか嬉しくて、その感触が病み付きになっていきました。
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私は小学校を3箇所変わっています。
小学校入学当時、自宅は世田谷区桜新町にあったので、「桜町小学校」で1年の2学期までそこで過ごしましたが、その後、家族は日野市多摩平の公団に転居することになって、「日野市立第五小学校」に編入しました。
当時は全国的にマンモス団地の建設ラッシュで、日野市もその影響で急激に人工が増えて、小学校を新たに設立する必要がありました。
第五小学校「分校」という形で、新たに建設された別の場所にある学校でしばし学び、
その第五小学校分校は後に独立して「第六小学校」となりました。
私はその小学校の「第一回卒業生」ということになります。

こうして小学校の時に編入や、クラス替えがしばしば行われたせいか、
親しい友だちは出来ず、まっすぐ家に帰ってギターに触ることが何よりも楽しみでした。
もちろん独学で譜面も全く読めませんでしたが、小学校を卒業する頃になると、
たいていの曲は耳で聴いたメロディを追っかけて単音で弾くことができるようになりました。
# by ymweb | 2007-03-21 17:53 | じゃずぎたりすと物語
手渡されたギターは小振りで、ボディには貝殻のようなもので蝶の模様が入っていました。

この日生まれて初めてギターという楽器に触りました。

すると兄は「いいか、ここがドで何も押さえないのがレ、ミは・・・
教えてもらうのはいいけど、すでに指は痛いし、弦の跡がくっきりと付いている。
(き、きつい楽器だな。。。ギターって。。。)

兄の演奏する曲は演歌が中心なので、奏法も古賀正男そのものだった。
「貴昭、右手はな、細い方から3本の弦にそれぞれ薬指、中指、人差し指と当てて、
太い方の弦は親指で弾くのが本当のやり方なんだ!」

音楽性の好みは別として、10歳、小学校5年生の私にとって、
ギターの弾き方は兄を通してでしか知らないので、その教えは絶対でした。

確かにこの奏法は〈影を慕いて〉とか〈酒は涙か溜息か〉など、古賀メロディには最適だ。

実はギターを指で奏でるこの奏法こそが、ピックで演奏されることの多いジャズギターにあって、
私のギター演奏に大きく影響を与える奏法となっていきます。

夜も遅くなってきたので「じゃそろそろ僕帰るね」と立ち上がると、
兄が「貴昭!このギター持ってけ、お前にやるよ!」
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まさかくれるとは思っていなかったのでとても嬉しかった。

「このギターは三軒茶屋で1.500円も出して買ったんだぞ!!」
この恩着せがましい性格は少し私に似ています。(笑)

もらったギターを大切に脇に抱えて家路を急ぎました。スキップして。
# by ymweb | 2007-03-13 17:51 | じゃずぎたりすと物語

1 〈出会い〉

小学校5年生。
家には小さなおもちゃのピアノがあった。
左手でド・ソ・ミ・ソ・ド・ソ・ミ・ソと弾きながら右手でメロディを奏でる。
これって両手が別々のことをするのだから最初は難しいけど、
少し慣れてくると弾けるようになった。
何でもキーがCの単純な曲であれば左手でド・ソ・ミ・ソ~と弾いて楽しむことが出来た。
またFとGの、いわゆる3コードを左手で弾いてメロディーを奏でることが出来るようになった。

楽しい~~~ 何てサウンドする楽器だろう。。。
本物のピアノが欲しい!!
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親に「ねえ、お願いがあるんだけど、ピアノ買って~~」と駄々をこねたけど、
おそらく中流階級の下あたりに属する私の家ではそんな余裕などありません。
「何を馬鹿なことを言ってるんだ!」と一言。
当時、ピアノが置いてある家なんて相当の金持ちだった。
実際に、当時でもピアノの値段はアップライトで2.30万はしたと思う。

そうだ、クラスの諸藤君の家にピアノがあった。
遊びに行って弾かせてもらおう!

学校帰りに彼の家に上がりこみ、遊ぶこともなく、
出されたお菓子や飲み物にも手をつけずに、勝手に何時間もピアノに触っていた。
こうしてしばしばお邪魔して夕食時まで居座っていたのだから、
今考えてみれば諸藤君の家はかなり迷惑だったことだろう。

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私には父親が違う兄がいます。
母は父より5歳年上のため、その兄は父と13歳しか違いません。
そして私とも12歳離れています。
父親とあまり仲が良くないし、私とも歳が離れているのでほとんど交流がありませんでした。

兄は、家から歩いて10分のところにアパートを借りていました。
そこに呼ばれて遊びに行った時のことです。
兄はギターをポロポロと爪弾いています。
古賀正男メロディでしょうか、何しろ「ド演歌」で、弾く曲全てがマイナー調の曲です。
(うあ~~ ギターって暗い楽器だな。。。)

すると突然兄が、「貴昭、教えてやるから弾いてみるか?」
# by ymweb | 2007-03-10 18:00 | じゃずぎたりすと物語

初めに

今回から執筆した私の自伝です。

完結すれば堂々たる?1冊の本に仕上がるように、
そんな気持ちで今回からシリーズ化して書こうと思います。

感想などをBBSなどに書いてくだされば大きな励みとなります。
# by ymweb | 2007-03-10 13:00 | じゃずぎたりすと物語