17 〈自転車日本一周計画〉
2007年 07月 25日
17〈自転車日本一周旅行計画〉
間もなく夏休み。
学校から帰ってすぐに「自転車日本一周の旅」の準備を黙々としていると、
母が「貴昭、お前夏休みに本当に自転車で行くつもりなの?
お父さんが『危ない』って心配してるよ。」
無視していると、
「まあ、この子は昔から一度決めたことは必ず実行する子だからね。。。」
さすがに母だ。
私の性格を見事に見抜いている。
そう、一度決めたことは誰が何と言っても実行するのです。
高校の夏休みは40日しかありません。
寝る所は「テント」の覚悟ですが、テントのほかに自炊用品が加わるなら、
想像を絶する荷物の量となるので、さすがに食事は外食と決めました。
総予算はというと、すごく自信に満ちて1万5千円です。
そもそも日本一周の距離はどのくらいあるのだろうか?
早速、全日本道路地図を購入して調べてみることにしました。
荷物が多くて重いので、時速15~20キロで1日7時間走れたとして、
走行距離は130キロくらいか。
いや待てよ、晴天の日ばかりとは限らないし、台風も来るかも。。。
では少なく見積もって平均して120キロだとしたら。。。
ゲッ! 日本半周も出来ない!!
やはり高校生の考えです。
まあ何とかなるだろうという、夢と期待に燃えた大雑把な計画は、
それが現実的、具体的な数字になると挫折感を味わいます。
そうです、物理的に言って40日の夏休みに自転車で日本縦断ならともかく、
日本一周することは不可能なのです。
しかし私はあきらめませんでした。
仕方ない。。。
それでは半周ずつ2ヵ年計画で回るのはどうだろうか?
このアイディアがひらめきました。
そうです、この夏休みに東京から南日本を一周して、
来年の夏休みに北日本を一周するということです。
これだと日本の外縁をほとんどくまなく回ることが出来そうです。
計画は以下の通りでした。
東京を出発して東海道をひたすら走り、京都から山陰を通って島根に抜けて、
山口から九州に入り、九州を一周してからフェリーで四国に渡ります。
※当時はまだ沖縄が日本に返還されていませんでした。
徳島から本州の和歌山に渡り、和歌山から京都まで戻ったら、ここで来た道と交差。
琵琶湖の東側を通って北陸へ抜けて、富山から岐阜県高山に抜け、
北アルプス越えをして松本に出て、そこから甲州街道を東京まで帰るコースです。
我ながら完璧なコースです!
心と体の準備もしっかり整えて、夏休み突入と同時に出発です。
そんな2学期の終業式を4日後に控えた夕方でした。
いつも通りに学校から帰ると、珍しく父が早く家に帰って来ています。
さらにどういうわけか、その父と仲の悪いはずの兄も家にいます。
「ど、どうしたの??」
「お母さんが!お母さんが倒れたんだよ!」
つづく
間もなく夏休み。
学校から帰ってすぐに「自転車日本一周の旅」の準備を黙々としていると、
母が「貴昭、お前夏休みに本当に自転車で行くつもりなの?
お父さんが『危ない』って心配してるよ。」
無視していると、
「まあ、この子は昔から一度決めたことは必ず実行する子だからね。。。」
さすがに母だ。
私の性格を見事に見抜いている。
そう、一度決めたことは誰が何と言っても実行するのです。
高校の夏休みは40日しかありません。
寝る所は「テント」の覚悟ですが、テントのほかに自炊用品が加わるなら、
想像を絶する荷物の量となるので、さすがに食事は外食と決めました。
総予算はというと、すごく自信に満ちて1万5千円です。
そもそも日本一周の距離はどのくらいあるのだろうか?
早速、全日本道路地図を購入して調べてみることにしました。
荷物が多くて重いので、時速15~20キロで1日7時間走れたとして、
走行距離は130キロくらいか。
いや待てよ、晴天の日ばかりとは限らないし、台風も来るかも。。。
では少なく見積もって平均して120キロだとしたら。。。
ゲッ! 日本半周も出来ない!!
やはり高校生の考えです。
まあ何とかなるだろうという、夢と期待に燃えた大雑把な計画は、
それが現実的、具体的な数字になると挫折感を味わいます。
そうです、物理的に言って40日の夏休みに自転車で日本縦断ならともかく、
日本一周することは不可能なのです。
しかし私はあきらめませんでした。
仕方ない。。。
それでは半周ずつ2ヵ年計画で回るのはどうだろうか?
このアイディアがひらめきました。
そうです、この夏休みに東京から南日本を一周して、
来年の夏休みに北日本を一周するということです。
これだと日本の外縁をほとんどくまなく回ることが出来そうです。
計画は以下の通りでした。
東京を出発して東海道をひたすら走り、京都から山陰を通って島根に抜けて、
山口から九州に入り、九州を一周してからフェリーで四国に渡ります。
※当時はまだ沖縄が日本に返還されていませんでした。
徳島から本州の和歌山に渡り、和歌山から京都まで戻ったら、ここで来た道と交差。
琵琶湖の東側を通って北陸へ抜けて、富山から岐阜県高山に抜け、
北アルプス越えをして松本に出て、そこから甲州街道を東京まで帰るコースです。
我ながら完璧なコースです!
心と体の準備もしっかり整えて、夏休み突入と同時に出発です。
そんな2学期の終業式を4日後に控えた夕方でした。
いつも通りに学校から帰ると、珍しく父が早く家に帰って来ています。
さらにどういうわけか、その父と仲の悪いはずの兄も家にいます。
「ど、どうしたの??」
「お母さんが!お母さんが倒れたんだよ!」
つづく
by ymweb
| 2007-07-25 05:03
| じゃずぎたりすと物語