11 〈受験勉強〉
2007年 04月 28日
両親はそれまで私に「勉強しろ」と言ったことはほとんどありません。
しかし3年の2学期もすでに始まっています。
この2学期の通知表の成績と内申書が希望する高校に提出されます。
ギターにのめり込んでからというもの、授業中は居眠りしているので、
テストの点は最悪、通知表も下がる一方でした。
両親が心配するのも解かります。
確かに学業に専念しなければならない時期でした。
その夜、話があると言っていた父は、疲れていたせいか、
予告通り早めに帰って来たものの、
結局私と顔を合わせることなく就寝してしまいました。
さすがにこの日はギターを弾く気になれず、
仕方なく机に向かっていくらか勉強することにしました。
しかし、どうにもこうにも音楽のことが頭から離れず、
集中して勉強することが出来ません。
教科書を開いて鉛筆を持っただけで、その鉛筆はドラムのステックと化し、
足は貧乏ゆすりのごとくリズムを出してしまいます。
今夜は父が寝たため、恐怖の話し合いは行われなくて済んだものの、
勉強していることを実践していないと、
こうしたビクビクした生活がずっと続くことになります。
思い出してください、父は恐い人なのです。
腕相撲は私が両腕を使っても勝てないほどですし、
ギターを練習していると「鉄の灰皿」を私めがけて飛ばす人なのです。
3学期までの辛抱ということで、仕方なくギターを弾く時間を4~5時間に減らして、
受験に備えて勉強をすることにしました。
経済的な理由もあって、目指すは都立高校です。
小学校時代は5がほとんどで、信じられないほど良い成績でした。
きっと「神童」と呼ばれていたに違いありません、うん。
中学校に入って、1年の時はまだそこそこ良かったのですが、
2年生くらいから、どこが「神童」?普通ぢゃん! という成績になってきて、
3年生の1学期はといえば、通知表を親に見せることが出来ずに、
隠してしまったほどの成績でした。
これはもう明らかにギターのせいです。
解かっているんです。
解かっちゃいるけど止められ。。。
歌っている場合ではありません。
しかし机に向かっても勉強に対する集中力が全く沸きません。
どうしたら集中して受験勉強が出来るのか考えていたところ、
ギターの置いてある押入れが目に留まりました。
待てよ。。。
ギターをあれだけ集中して練習することが出来た押入れの中、
そう、押入れに入って勉強するのはどうだろう。。。
早速押入れに入り、引いてある電球のスイッチを ---- ON。
うお~~! 何て落ち着く場所なんだ!!
そう、まさにそこは長年慣れ親しんだ集中出来る場所でした。
この日から早速この場所で勉強をすることにしました。

当時は国語、数学、英語の主要3教科以外に、
保健体育や音楽の成績も内申書にしっかりと記録されることになっていました。
私はどちらかと言わなくても「反」理数系です。
数学は足し算や掛け算は得意なのですが、引き算や割り算が苦手です。
何だか損するみたいで嫌いなのです。
しかし体育は得意でした。
小学校の時からリレーの選手で、学校で一番足が速かったし、
中学校の時も、どのクラブにも属していないのに、
体操や鉄棒など、スポーツは半端でなく万能でした。
そんな私にとって、体育は全く問題ありません。
音楽も、先日「音楽会」にも出演したし、西村先生に作曲も褒められた。
後は歴史や譜面のことをしっかり学習すれば大丈夫かな。。。
強化学習を主要3教科に絞り込んで、集中して勉強することにしました。
そんな様子を知った母は、父にそのことを報告したようで、
それ以降、父と顔を合わせても何も言われることはありませんでした。
いよいよ大切な2学期も終業し、通知表をもらう日が来ました。
通例ながら、一人ずつ生徒を出席順に呼んで、
手渡す際に担任が余計なことを一言言います。
「石黒、もう少しだったな」
「入手、残念だな、今学期は大切なのに」
「岩沢、まあまあだな。。。」
。。。。。
とうとう私の番になりました。
「宮之上!!どうしたんだお前!!」
何だ何だ?? みんながざわめいています。
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しかし3年の2学期もすでに始まっています。
この2学期の通知表の成績と内申書が希望する高校に提出されます。
ギターにのめり込んでからというもの、授業中は居眠りしているので、
テストの点は最悪、通知表も下がる一方でした。
両親が心配するのも解かります。
確かに学業に専念しなければならない時期でした。
その夜、話があると言っていた父は、疲れていたせいか、
予告通り早めに帰って来たものの、
結局私と顔を合わせることなく就寝してしまいました。
さすがにこの日はギターを弾く気になれず、
仕方なく机に向かっていくらか勉強することにしました。
しかし、どうにもこうにも音楽のことが頭から離れず、
集中して勉強することが出来ません。
教科書を開いて鉛筆を持っただけで、その鉛筆はドラムのステックと化し、
足は貧乏ゆすりのごとくリズムを出してしまいます。
今夜は父が寝たため、恐怖の話し合いは行われなくて済んだものの、
勉強していることを実践していないと、
こうしたビクビクした生活がずっと続くことになります。
思い出してください、父は恐い人なのです。
腕相撲は私が両腕を使っても勝てないほどですし、
ギターを練習していると「鉄の灰皿」を私めがけて飛ばす人なのです。
3学期までの辛抱ということで、仕方なくギターを弾く時間を4~5時間に減らして、
受験に備えて勉強をすることにしました。
経済的な理由もあって、目指すは都立高校です。
小学校時代は5がほとんどで、信じられないほど良い成績でした。
きっと「神童」と呼ばれていたに違いありません、うん。
中学校に入って、1年の時はまだそこそこ良かったのですが、
2年生くらいから、どこが「神童」?普通ぢゃん! という成績になってきて、
3年生の1学期はといえば、通知表を親に見せることが出来ずに、
隠してしまったほどの成績でした。
これはもう明らかにギターのせいです。
解かっているんです。
解かっちゃいるけど止められ。。。
歌っている場合ではありません。
しかし机に向かっても勉強に対する集中力が全く沸きません。
どうしたら集中して受験勉強が出来るのか考えていたところ、
ギターの置いてある押入れが目に留まりました。
待てよ。。。
ギターをあれだけ集中して練習することが出来た押入れの中、
そう、押入れに入って勉強するのはどうだろう。。。
早速押入れに入り、引いてある電球のスイッチを ---- ON。
うお~~! 何て落ち着く場所なんだ!!
そう、まさにそこは長年慣れ親しんだ集中出来る場所でした。
この日から早速この場所で勉強をすることにしました。

当時は国語、数学、英語の主要3教科以外に、
保健体育や音楽の成績も内申書にしっかりと記録されることになっていました。
私はどちらかと言わなくても「反」理数系です。
数学は足し算や掛け算は得意なのですが、引き算や割り算が苦手です。
何だか損するみたいで嫌いなのです。
しかし体育は得意でした。
小学校の時からリレーの選手で、学校で一番足が速かったし、
中学校の時も、どのクラブにも属していないのに、
体操や鉄棒など、スポーツは半端でなく万能でした。
そんな私にとって、体育は全く問題ありません。
音楽も、先日「音楽会」にも出演したし、西村先生に作曲も褒められた。
後は歴史や譜面のことをしっかり学習すれば大丈夫かな。。。
強化学習を主要3教科に絞り込んで、集中して勉強することにしました。
そんな様子を知った母は、父にそのことを報告したようで、
それ以降、父と顔を合わせても何も言われることはありませんでした。
いよいよ大切な2学期も終業し、通知表をもらう日が来ました。
通例ながら、一人ずつ生徒を出席順に呼んで、
手渡す際に担任が余計なことを一言言います。
「石黒、もう少しだったな」
「入手、残念だな、今学期は大切なのに」
「岩沢、まあまあだな。。。」
。。。。。
とうとう私の番になりました。
「宮之上!!どうしたんだお前!!」
何だ何だ?? みんながざわめいています。
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by ymweb
| 2007-04-28 19:17
| じゃずぎたりすと物語