内田裕也さんの思い出
2021年 08月 09日
《jazz inside story》
内田裕也さんの思い出
何故わたしが内田裕也さんと繋がっていたか、不思議に思われる方も多いでしょう。
ずいぶん昔のことですが、わたしは北村英治(cl)バンドの一員として、神戸から「飛鳥」に乗船して鹿児島まで行くクルーズで演奏する、という仕事がありました。
北村バンド以外にもいくつかのバンドが出演していて、メンバーがバラバラ組まれてスペシャルセッションにもなり、小曽根真(pf)と初めて共演したのもその時です。
お客様の中には作家、藤本義一の奥様の藤本統紀子さん、そして内田裕也さんもいました。
かなりゴージャスなクルーズですが、台風が近づいていて船は大揺れ。鹿児島港に接岸出来ずにそのまま引き返すというアクシデント。
そんな大揺れのセッションバンドで演奏していた時でした。
内田裕也さんが「俺も歌って良いか?」
ロッケンロールは無理だぞ〜と思いきや、「ルート66!」
イントロを付けて丁寧にバンキングして、思いっきりソロをしたら、裕也さんはことの外喜んで、名前も聞かれました。
このクルーズからしばらくして、六本木交差点近くにあるおでん屋に飲みに来ないかと、お友達になった藤本統紀子さんから連絡がありました。彼女自身が経営しているそうです。
再会を楽しみに行ってみると、何とそこに内田裕也さんもいました。
「裕也さん、お久しぶりです」
「お〜ミヤノウエ君か!」
嬉しいことに名前を覚えていてくれました。(ひょっとして統紀子さんが来ることを伝えていたのかも知れませんが)
この数年後、わたしはハワイでコンサートがありました。
一緒に演奏することになっているベーシストがホテル・ハレクラニのラウンジで演奏していると聞き、打ち合わせを兼ねてギターを持って行きました。
早速シットインして演奏。何とボーカルは知る人ぞ知るアジュー・マッコール(voc)でした。
いい気分で演奏していたその時、
「ミヤノウエ!!」
内田裕也さんでした。驚いた。

「ゴキゲンなギターがいるなと思ったら宮之上だったか!」
「うわ〜裕也さんお久しぶりです、このホテルに泊まっているんですか?」
「こんな高いホテル泊まれる訳ねーだろ」
奇妙な繋がりでしたけど、個性豊かなお方でした。
ロッケンロール!!