じゃずぎたりすと物語 57話「愛車レッド号骨折!」
2013年 01月 02日
私がギターを始めるきっかけから
プロのジャズギタリストになるまでの出来事を、
おおよそ史実に基づいて書いてます。
途中から人生においての大きな思い出となった
「自転車日本一周旅行記」に変わりかけちゃっていますが(ーー;)
私にとって15歳~16歳にかけての自転車日本一周旅行は、
体力作りはもとより、
根性や気力といった精神態度の原点ともなっています。

まもなく旅行記は終了して、
またジャズギタリストへの道を綴りたいと思いますが、
自転車旅行記もまだまだ皆さんにお聞かせしたい
ハラハラ、ドキドキ、ワクワクの出来事がたくさんあります。
完走するまで引き続き読んでくだされば嬉しく思います。
※初めて読まれる方は是非とも第一話からお読みください。
http://ymweb.exblog.jp/i4/6/
※記載してある自転車旅行記の情報は、
詳細に書き記された当時の日記からのものです。
じゃずぎたりすと物語 57話「愛車レッド号骨折!」
8月9日(日)
お世話になった浜野家の皆さんに挨拶をして、
10時30分に紋別を出発しました。
今日の目的地サロマ湖までの距離が短いので、のんびりの出発です。
走りやすかった国道238号は途中から砂利道になりました。
しばらく走っていると、激しい揺れのためにタイヤのスポークが1本、
続けてもう1本と折れてしまいました。
このまま走行すれば連鎖反応で他のスポークも次々と折れそうです。
道路脇に愛車レッドを停めて、
2本のスポークを絡ませて1本にして応急処置を施しました。
これでとりあえずOKかなと思ったら、
今度は自転車を支えるスタンドが根元からぐにゃっと曲がって、
レッド号はスローモーションのようにゆっくりと左に傾きました。
荷物の重みに耐え切れなかったようです。
何ということでしょう。。。
それでもオホーツク海の大海原を見てジャズの曲を口ずさみ、
16歳の宮之上少年はいくらか元気を取り戻してまた出発しました。
途中お腹が空いてきたので川西とう集落で商店に入り、
クッキーといちごサイダーというのを買いましたが、
結局お腹はいっぱいにならず、このチョイスは失敗でした。
湧別の街を過ぎて少し走ると、
左手には油を敷いたような穏やかで雄大な湖が姿を現しました。
北海道最大の湖、サロマ湖です。
珍しくまだ陽が高いうちに目的地まで到着しました。
観光案内所でテントを張れる場所や簡易宿泊所の情報などを聞こうと思い、
計呂地(ケロチ)という駅に行ってみました。

もちろん口ずさんでいるのは「Take the A train」です。
確かに駅は駅でしたが、人もいないし、トイレ以外何にもありませんでした。
(計呂地駅は1987年に廃線になった湧網線の駅です。)

写真:現在では鉄道公園として整備されているそうです。
さびれているとはいえサロマ湖は観光地なので、
そこら辺に勝手にテントを張るわけにもいきません。
商店に入って、アイスクリームを食べながら情報を聞いてみました。
国道沿い「法念寺」というお寺があると聞いて、早速行ってみました。
大きくはないお寺でしたが、綺麗に手入れされた美しいお寺でした。
境内にテントを張る交渉をしたところ、奥様が優しく対応してくださり、
住職と相談して、空き部屋に泊まらせていただくことになりました。
ちょうど札幌から来たという親戚の方が見えて、
その子供たちを湖畔に連れて行って遊んでくれとのこと。
思いがけずサロマ湖探索となりました。
美しい!!
ずっと地図みて心に思い描いていたサロマ湖が眼前に広がっています。
夕食もご馳走してくれることになり、
食卓には特産のホタテ貝とボラの刺身が並び、とても美味しくいただきました。
テレビでは「サインはV」の最終回を放送していました。

部屋でくつろいでいると住職が、
「旅の目的や面白さを話してくれ」と近づいてきました。
これまでの出来事や、人との出会いなど、
私の話に熱心に耳を傾けていました。
明日の朝は搾りたての牛乳をご馳走してくれるそうで、
これも楽しみです。
寝たのは遅く、時計の針は11時を回っていました。
[この日使ったお金]
クッキー \50 いちごサイダー \30 アイスクリーム\20
合計\100