宮之上貴昭執筆による長期連載


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2009年 03月 05日 ( 1 )

じゃずぎたりすと物語 41 〈ちょい悪少年!?東北へ〉

目が覚めると、朝6時30分だった。
いかんいかん。
予定では6時30分には出発のはずでした。

泊めていただいた神龍寺の住職に挨拶に行って、
恐る恐る「宿泊料はいくらですか?」と訊ねたところ、
「そんなものいらんから心配するな」とのこと。
しかも「朝ご飯も食べて行きなさい」と言ってくれました。
さすがにそこまでは甘えることが出来ず、お礼を言って出発しました。

今日も朝から真っ青な空が広がり、
昼はまた炎天下になるに違いありません。
昨日の熱射病のようなことがないように 帽子を深く被り、
美野里町で買ったパンを頬張りながらペダルを漕いで、
30分遅れた分を取り戻すべく 一生懸命走りました。

地図によると未完成の水戸バイパスでしたが、ほとんど完成していて、
道幅は広く平坦なため、自転車にとって走りやすい道路でした。

勝田の親戚の家に立ち寄ろうかどうしようか迷いました。
母が茨城県出身のため、勝田にも親戚がいて、
私のいとこがオープンして間もない旅館「再会荘」を経営していました。

通り道だし、おなかも空いたことだし。。。
せっかくですから寄って行くことにしました。

旅館「再会荘」に着くと、いとこの弘子と息子のやっちゃんがいました。
弘子は母の姉の娘で、私よりずいぶん年上です。
その弘子が、「おなか空いたっぺ?」と言って、寿司の出前を頼んでくれました。

もちろん寿司は当時でも高級で大好物ですが、う~ん、微妙です。
自転車旅行中のベストな食事は「高たんぱく高カロリー」が基本なのです。

「まったく貴昭は真剣に馬鹿なことばっかりやっから~」
「昔から変わんね~っぺ?」
届いた寿司を食べている最中に、少し予期していたフレーズが弘子から出されました。

これでは物足りない様子を感じ取ったのか
「おなか一杯っちゃあんめ、こっちも食べたらいかっぺ!?」
弘子はおもいっきり茨城弁です。

「もうすぐ照子おばちゃんも来っから~ ゆっくりしていったらいかっぺ? ほれ。」

「ほれ」と言われて1時まで待ちましたが 来ません。

出発しないと予定が狂ってしまうので、
お礼を言ってこのクーラーの効いた涼しい環境を後にし、
また炎天下の道路に戻り、一路北へと進みました。

また予定を30分遅れてしまいましたので、ペダルを漕ぐ足にさらに力を込めました。
今日はなんとしても福島県境までたどり着くというのが目標です。

右手に見える太平洋の美しい大海原も、体力的「きつさ」が圧倒して、
「目的地に着く」ことしか頭に浮かびませんでした。

日立を過ぎて高萩に着くころ、追い越していくバスの窓から
「頑張れ~~!!」と学生が私に声援を送ってくれました。

青空がだんだん夕陽色に変わり、少し薄暗くなり始めたころ、
国道6号は少しの登り坂に差し掛かりました。

「勿来の関」 ・・・・・ 「福島県」
やった!!!!! 福島県まで来た!!

そうです、福島県は立派な「東北地方」です。
自転車で東北地方まで走破することが出来ました。

外の景色はだんだん暗くなってきました。
辺りが暗くなると、宿を探すのに一苦労します。

「鮫川」という川を越えて間もなく、近くにいたおじさんに声をかけて事情を話し、
この辺で泊めてくれそうなお寺があるかどうか尋ねました。

紹介されたお寺に行って宿泊を頼んでみたものの、あっさり断られ、
来た道を戻ったら、さっきのおじさんが立っていて、「断られたか? んじゃうち泊まるか?」
立っている目の前がその旅館でした。

小さな白い看板には「仕出し・旅館」と書かれていました。
「心配ないよ、安くしておくから」 とのことでした。
とはいえ値段が気になったので率直に聞くと、
素泊まり700円でいいそうです。
お寺の「タダ」の比べれば高い宿泊料でしたけど、
とても親切で優しそうなご主人だったので安心できました。
どうやら宿泊客は私一人のようです。

ご主人に「有名な常磐ハワイアンセンターって どんなところですか?」と尋ねると、
「どこにあるのか?」と聞き間違えたらしく、地図を広げて丁寧に説明してくれました。
しかし、地図でなかなかその場所が見つからずに、少ししらけました。

部屋で少しくつろいだところで、おなかが空いたので外に出て夕食をとりました。
今にもつぶれそうな店に入って、「焼きそば定食」を注文しました。
高カロリーでおなかは一杯になりました。

ところで、16歳の宮之上少年は、少しだけ大人の仲間入りに憧れて?
悪いことも目論んでいました。

「タバコ」

当時は自動販売機などほとんど設置されていませんから、
タバコ屋で直接買うしか手に入れる方法はありませんでした。

今でさえ「童顔」、当時はそのまんま童顔の宮之上少年。
暗くなった時間が唯一タバコをゲットするチャンスでした。

帽子を深く被ってケースの真ん中辺りにあるタバコを指差し、
目一杯頑張った低い声で 「これください」

店のおばちゃんはそんな私を少し疑うような目で見て、
「はい、ホープね、50円」と言って差し出しました。

50円を手渡すと、「上半身はそのまま、足は小走り」で
その場をささっと立ち去りました。

部屋に戻って早速試してみることにしました。生まれて初めての タ・バ・コ

ゴホッゴホッ!! オエッ!! 
なんぢゃこれ?? ま、不味い。。。

初タバコの感想でした。
※これを機に「ン十年」と喫煙していましたが、ずいぶん前に卒煙しています。

[使ったお金]
パン3個 ¥60 
牛乳1本 ¥30
サイダー2本 ¥80
リンゴソーダ1本 ¥35
アイス1本 ¥10
まんが1冊 ¥100
夕食 ¥180
タバコ(ホープ)1個 ¥50
【合計 ¥545】

                                              つづく
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by ymweb | 2009-03-05 20:12 | じゃずぎたりすと物語