宮之上貴昭執筆による長期連載


by ymweb
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2007年 03月 13日 ( 1 )

手渡されたギターは小振りで、ボディには貝殻のようなもので蝶の模様が入っていました。

この日生まれて初めてギターという楽器に触りました。

すると兄は「いいか、ここがドで何も押さえないのがレ、ミは・・・
教えてもらうのはいいけど、すでに指は痛いし、弦の跡がくっきりと付いている。
(き、きつい楽器だな。。。ギターって。。。)

兄の演奏する曲は演歌が中心なので、奏法も古賀正男そのものだった。
「貴昭、右手はな、細い方から3本の弦にそれぞれ薬指、中指、人差し指と当てて、
太い方の弦は親指で弾くのが本当のやり方なんだ!」

音楽性の好みは別として、10歳、小学校5年生の私にとって、
ギターの弾き方は兄を通してでしか知らないので、その教えは絶対でした。

確かにこの奏法は〈影を慕いて〉とか〈酒は涙か溜息か〉など、古賀メロディには最適だ。

実はギターを指で奏でるこの奏法こそが、ピックで演奏されることの多いジャズギターにあって、
私のギター演奏に大きく影響を与える奏法となっていきます。

夜も遅くなってきたので「じゃそろそろ僕帰るね」と立ち上がると、
兄が「貴昭!このギター持ってけ、お前にやるよ!」
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まさかくれるとは思っていなかったのでとても嬉しかった。

「このギターは三軒茶屋で1.500円も出して買ったんだぞ!!」
この恩着せがましい性格は少し私に似ています。(笑)

もらったギターを大切に脇に抱えて家路を急ぎました。スキップして。
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by ymweb | 2007-03-13 17:51 | じゃずぎたりすと物語