宮之上貴昭執筆による長期連載


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じゃずぎたりすと物語 41 〈ちょい悪少年?東北へ〉

じゃずぎたりすと物語 41 〈ちょい悪少年!?東北へ〉

目が覚めると、朝6時30分だった。
いかんいかん。
予定では6時30分には出発のはずでした。

泊めていただいた神龍寺の住職に挨拶に行って、
恐る恐る「宿泊料はいくらですか?」と訊ねたところ、
「そんなものいらんから心配するな」とのこと。
しかも「朝ご飯も食べて行きなさい」と言ってくれました。
さすがにそこまでは甘えることが出来ず、お礼を言って出発しました。

今日も朝から真っ青な空が広がり、
昼はまた炎天下になるに違いありません。
昨日の熱射病のようなことがないように 帽子を深く被り、
美野里町で買ったパンを頬張りながらペダルを漕いで、
30分遅れた分を取り戻すべく 一生懸命走りました。

地図によると未完成の水戸バイパスでしたが、ほとんど完成していて、
道幅は広く平坦なため、自転車にとって走りやすい道路でした。

勝田の親戚の家に立ち寄ろうかどうしようか迷いました。
母が茨城県出身のため、勝田にも親戚がいて、
私のいとこがオープンして間もない旅館「再会荘」を経営していました。

通り道だし、おなかも空いたことだし。。。
せっかくですから寄って行くことにしました。

旅館「再会荘」に着くと、いとこの弘子と息子のやっちゃんがいました。
弘子は母の姉の娘で、私よりずいぶん年上です。
その弘子が、「おなか空いたっぺ?」と言って、寿司の出前を頼んでくれました。

もちろん寿司は当時でも高級で大好物ですが、う~ん、微妙です。
自転車旅行中のベストな食事は「高たんぱく高カロリー」が基本なのです。

「まったく貴昭は真剣に馬鹿なことばっかりやっから~」
「昔から変わんね~っぺ?」
届いた寿司を食べている最中に、少し予期していたフレーズが弘子から出されました。

これでは物足りない様子を感じ取ったのか
「おなか一杯っちゃあんめ、こっちも食べたらいかっぺ!?」
弘子はおもいっきり茨城弁です。

「もうすぐ照子おばちゃんも来っから~ ゆっくりしていったらいかっぺ? ほれ。」

「ほれ」と言われて1時まで待ちましたが 来ません。

出発しないと予定が狂ってしまうので、
お礼を言ってこのクーラーの効いた涼しい環境を後にし、
また炎天下の道路に戻り、一路北へと進みました。

また予定を30分遅れてしまいましたので、ペダルを漕ぐ足にさらに力を込めました。
今日はなんとしても福島県境までたどり着くというのが目標です。

右手に見える太平洋の美しい大海原も、体力的「きつさ」が圧倒して、
「目的地に着く」ことしか頭に浮かびませんでした。

日立を過ぎて高萩に着くころ、追い越していくバスの窓から
「頑張れ~~!!」と学生が私に声援を送ってくれました。

青空がだんだん夕陽色に変わり、少し薄暗くなり始めたころ、
国道6号は少しの登り坂に差し掛かりました。

「勿来の関」 ・・・・・ 「福島県」
やった!!!!! 福島県まで来た!!

そうです、福島県は立派な「東北地方」です。
自転車で東北地方まで走破することが出来ました。

外の景色はだんだん暗くなってきました。
辺りが暗くなると、宿を探すのに一苦労します。

「鮫川」という川を越えて間もなく、近くにいたおじさんに声をかけて事情を話し、
この辺で泊めてくれそうなお寺があるかどうか尋ねました。

紹介されたお寺に行って宿泊を頼んでみたものの、あっさり断られ、
来た道を戻ったら、さっきのおじさんが立っていて、「断られたか? んじゃうち泊まるか?」
立っている目の前がその旅館でした。

小さな白い看板には「仕出し・旅館」と書かれていました。
「心配ないよ、安くしておくから」 とのことでした。
とはいえ値段が気になったので率直に聞くと、
素泊まり700円でいいそうです。
お寺の「タダ」の比べれば高い宿泊料でしたけど、
とても親切で優しそうなご主人だったので安心できました。
どうやら宿泊客は私一人のようです。

ご主人に「有名な常磐ハワイアンセンターって どんなところですか?」と尋ねると、
「どこにあるのか?」と聞き間違えたらしく、地図を広げて丁寧に説明してくれました。
しかし、地図でなかなかその場所が見つからずに、少ししらけました。

部屋で少しくつろいだところで、おなかが空いたので外に出て夕食をとりました。
今にもつぶれそうな店に入って、「焼きそば定食」を注文しました。
高カロリーでおなかは一杯になりました。

ところで、16歳の宮之上少年は、少しだけ大人の仲間入りに憧れて?
悪いことも目論んでいました。

「タバコ」

当時は自動販売機などほとんど設置されていませんから、
タバコ屋で直接買うしか手に入れる方法はありませんでした。

今でさえ「童顔」、当時はそのまんま童顔の宮之上少年。
暗くなった時間が唯一タバコをゲットするチャンスでした。

帽子を深く被ってケースの真ん中辺りにあるタバコを指差し、
目一杯頑張った低い声で 「これください」

店のおばちゃんはそんな私を少し疑うような目で見て、
「はい、ホープね、50円」と言って差し出しました。

50円を手渡すと、「上半身はそのまま、足は小走り」で
その場をささっと立ち去りました。

部屋に戻って早速試してみることにしました。生まれて初めての タ・バ・コ

ゴホッゴホッ!! オエッ!! 
なんぢゃこれ?? ま、不味い。。。

初タバコの感想でした。
※これを機に「ン十年」と喫煙していましたが、ずいぶん前に卒煙しています。

[使ったお金]
パン3個 ¥60 
牛乳1本 ¥30
サイダー2本 ¥80
リンゴソーダ1本 ¥35
アイス1本 ¥10
まんが1冊 ¥100
夕食 ¥180
タバコ(ホープ)1個 ¥50
【合計 ¥545】

                                              つづく
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by ymweb | 2009-03-05 20:12 | じゃずぎたりすと物語