宮之上貴昭執筆による長期連載


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22 〈福岡~熊本 アクシデント〉

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22 〈福岡~熊本 アクシデント〉

キャッキャッ。
朝、寝返りを打って気付くと、テントの外で子供たちの笑い声。
半目の状態でテントから眩しい光の射し込める外を覗くと、
おそらく昨日の子供たちだろう、ランドセルを背負って笑いながら走って行った。

「おはよう!」
昨日の大学生だ。
彼らも早々とテントをたたんで出発の準備をしている。
「では気をつけて! さよなら!」
彼らとはここでお別れして、目指すは熊本。

広くて舗装の行き届いた平坦な国道を快適に飛ばし。。。と思いきや、
出発してたったの20分、急に足に負荷が重くのしかかる。

ありゃりゃ、パンクだ。

仕方なく道端に愛車レッド号を寄せて、持参した修理キットを広げた。
簡単に思えたこの作業は思いのほか手間取った。
だいいちキットそのものも、自転車に備え付けの細い空気入れも非常用だ。
チューブを引っ張り出してボンドでゴムを貼り付け、ポンプで必死に空気を入れても
なかなかスムーズに行かない。
この作業で右手には大きな水ぶくれが出来てしまった。
「助けてくれ~~~」
炎天下ということもあって、ようやく終わった頃には頭がフラフラした。

思わぬところで時間を大きくロスしたけど、気を取り直して一路熊本に向けてまっしぐら。
熊本の街に着いたのは予定時刻をはるかに過ぎていて、心身ともにくたくた。
街中だったけど何とか宿泊場所を確保することが出来て良かった。
今日頑張ったご褒美に、明日は少しのんびりして熊本観光したいなと思いながら早めに寝ました。

翌朝、加藤清正の築城による熊本城に登ってみることにした。
城はとても規模が大きいので、街の中ならどこからでも見えるため
簡単にそばまでたどり着けました。
ひんやりとした森の空気の中にそびえ立つ熊本城。
有料となっている天守閣に登ると、気持ちの良い風。
晴天にも恵まれてはるか彼方まで見渡すことが出来ました。

ついでに「水前寺公園」にも行ってみることにしました。
何たって人気絶頂の水前寺清子が名前をとった公園ですから。

確かに綺麗な庭園だけど、思ったより狭くて、どうということはありません。
なんでこれが有料なんだ!?と思いました。
自転車旅行の高校生にとって「風情」(ふぜい)は必要なかったようです。

さて熊本市内で時間を費やした分、先を急ぐ必要がありました。

いざ出発!

国道3号線を南に向かって走っていると、ブシュっという音とともに
またもや急にペダルが重くなる。

ありゃりゃりゃ、またパンクだ。

愛車レッド号はかなりの重量を載せて走るために、道路の釘やガラス破片など、
ちょっとした障害物の影響をまともにタイヤに受けるようだ。
しかし昨日パンク修理キットを使ってしまったので直すことが出来ません。
こうなれば仕方ない、街まで押して行くか、ガソリンスタンドを見つけて直すしかない。。。

自転車を引いて歩くこと2キロ、遠くにガソリンスタンドらしき建物が見えました。

やった~~!! まさに砂漠にオアシス!

小さくてもれっきとしたガソリンスタンドでした。
店の人に事情を説明したところ、快く自転車のパンクを直してもらえることになりました。
さらに嬉しいことに、「日本一週頑張ってね」と、今後またパンクした時のために
ゴムの切れ端と接着剤を分けてくれました。
旅にはこうした人情が本当に大きな心の支えとなります。

その後、八代湾の美しい海を右手に見ながら快調に自転車を走らせました。
疲れてきたし、おなかも空いてきたので、パンを買って少し休憩を取ろうと
国道脇の公園の木陰に入りました。
愛車レッド号を停めてベンチに越し掛け、パンをほおばったところで。。。。

ウソだろ!!

その光景に目を疑いました。

つづく
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by ymweb | 2007-10-12 12:00 | じゃずぎたりすと物語