宮之上貴昭執筆による長期連載


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3 〈練習の開始:小学校時代〉

朝起きると、部屋にはギターが置いてある。

チョウチョの模様はいかさないけど、小振りで、
初めて触るギターとしては向いているのかもしれない。

ド  レ  ミ ファ ソ ラ シ ド ド シラ ソファ ミレド ドレミ ファ ソラシド ド シラソ ファミレド ドレミファ ソラシド ドシラ ソファミ レド ドレミファ ソラシド ドシラソファミレド ドレミファ

学校に行く前に早速練習を始める。

これはきっと私の性格なのだろう、練習方法はとにかくしつこい。
右手の親指はすでに赤く腫れてきているし、左指には弦の跡がくっきり。
指は痛いけど、でも何だか楽しい。

「よしあき!ご飯食べる時くらいギター置きなさいよ!」
母の小言も無視して、箸を持ったままギターを抱えて、爪弾いてはご飯を一口。

ご存知の通り、ギターはピアノと違って、タッチしただけでは音が出ません。
意図する音を出そうとする場合、左指で「ド」なら「ド」のポジションを押さえて、
右指で左指の押さえた弦を正確にヒットする必要があります。
これがなかなか難しくて、押さえている隣の弦を弾いてしまいます。
もどかしいながらも、時々きれいに弦をヒットできて、早いパッセージで「ドレミファソラシド~~」と弾けた時は何だか嬉しくて、その感触が病み付きになっていきました。
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私は小学校を3箇所変わっています。
小学校入学当時、自宅は世田谷区桜新町にあったので、「桜町小学校」で1年の2学期までそこで過ごしましたが、その後、家族は日野市多摩平の公団に転居することになって、「日野市立第五小学校」に編入しました。
当時は全国的にマンモス団地の建設ラッシュで、日野市もその影響で急激に人工が増えて、小学校を新たに設立する必要がありました。
第五小学校「分校」という形で、新たに建設された別の場所にある学校でしばし学び、
その第五小学校分校は後に独立して「第六小学校」となりました。
私はその小学校の「第一回卒業生」ということになります。

こうして小学校の時に編入や、クラス替えがしばしば行われたせいか、
親しい友だちは出来ず、まっすぐ家に帰ってギターに触ることが何よりも楽しみでした。
もちろん独学で譜面も全く読めませんでしたが、小学校を卒業する頃になると、
たいていの曲は耳で聴いたメロディを追っかけて単音で弾くことができるようになりました。
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by ymweb | 2007-03-21 17:53 | じゃずぎたりすと物語