宮之上貴昭執筆による長期連載


by ymweb
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1 〈出会い〉

小学校5年生。
家には小さなおもちゃのピアノがあった。
左手でド・ソ・ミ・ソ・ド・ソ・ミ・ソと弾きながら右手でメロディを奏でる。
これって両手が別々のことをするのだから最初は難しいけど、
少し慣れてくると弾けるようになった。
何でもキーがCの単純な曲であれば左手でド・ソ・ミ・ソ~と弾いて楽しむことが出来た。
またFとGの、いわゆる3コードを左手で弾いてメロディーを奏でることが出来るようになった。

楽しい~~~ 何てサウンドする楽器だろう。。。
本物のピアノが欲しい!!
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親に「ねえ、お願いがあるんだけど、ピアノ買って~~」と駄々をこねたけど、
おそらく中流階級の下あたりに属する私の家ではそんな余裕などありません。
「何を馬鹿なことを言ってるんだ!」と一言。
当時、ピアノが置いてある家なんて相当の金持ちだった。
実際に、当時でもピアノの値段はアップライトで2.30万はしたと思う。

そうだ、クラスの諸藤君の家にピアノがあった。
遊びに行って弾かせてもらおう!

学校帰りに彼の家に上がりこみ、遊ぶこともなく、
出されたお菓子や飲み物にも手をつけずに、勝手に何時間もピアノに触っていた。
こうしてしばしばお邪魔して夕食時まで居座っていたのだから、
今考えてみれば諸藤君の家はかなり迷惑だったことだろう。

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私には父親が違う兄がいます。
母は父より5歳年上のため、その兄は父と13歳しか違いません。
そして私とも12歳離れています。
父親とあまり仲が良くないし、私とも歳が離れているのでほとんど交流がありませんでした。

兄は、家から歩いて10分のところにアパートを借りていました。
そこに呼ばれて遊びに行った時のことです。
兄はギターをポロポロと爪弾いています。
古賀正男メロディでしょうか、何しろ「ド演歌」で、弾く曲全てがマイナー調の曲です。
(うあ~~ ギターって暗い楽器だな。。。)

すると突然兄が、「貴昭、教えてやるから弾いてみるか?」
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by ymweb | 2007-03-10 18:00 | じゃずぎたりすと物語