宮之上貴昭執筆による長期連載


by ymweb
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【最後の難所Ⅰ・Ⅱ】

【最後の難所Ⅰ】

1970年8月31日(月)

朝7時に起きて家の方に挨拶に行くと、
そこにはオルガンがおいてありました。('_')
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もちろんギターのようには弾けませんが、
出発までの短い時間、触らせてもらって弾きました。
家路が近くなってくるとジャズのことが気になってたまりません。
ギター弾きたいです。( ノД`)

今日は峠を越えて本州を縦断するつもりでペダルを漕いでますが、
「痛い!」 Σ(゚Д゚)
湯沢町まで進んだころ足が痛んできました。
事故に遭った時に擦りむいた右足でした。

当初は擦り傷だけの外的な問題だと考えていたのですが、
打ち身もあったみたいで、今頃になって腫れ上がって来ました。
これではあまり進むことが出来ないかもしれません。('Д')

今日は夏休み最後となる31日、明日は二学期の始業式です。
ずっと自転車旅行とジャズのことしか頭になく、
学校なんてどうでも良いという気持ちもありましたが、
現実に戻ることを考えると思いは複雑です。(*_*)

そんな中、愛車レッド号は塩沢、そして湯沢の街を過ぎ、
最後の難関である越後山脈に差し掛かって来ました。
しかし右足がカクカクして痛みは限界に近づきました。

ふと道路の右手に集落が見えます。
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今日の走行はあきらめて、この辺りに宿営しようかと思います。
※日記にはこの場所が湯沢町大字神立芝原と書いてあります。

古ぼけた神社があります。
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この敷地にテントを張ろうとして、
近くで農作業していたおばさんに聞きました。

「ここにテントとか張っても大丈夫ですかね?」

そのおばさんは怪訝な顔をしてわたしを見つめ、
「そんなもんダメだ!シッシッ!」
そう言って手で迷惑そうにわたしを追い払いました。
(静かに生活しているのによそ者が来て何かあったら大変だ)
うん、わかるような気がします。('_')

半分あきらめかけて集落を出ようとした時でした。
「にいちゃん!」
隣で畑仕事をしている別のおばちゃんから声がかかりました。
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※写真はイメージです。

「家に泊まるか?」
(^◇^) 何と嬉しい言葉でしょう。

そのおばちゃんの家に上がり込み、
傷を冷やしているとワイルドなご主人が帰宅しました。
黄色いヘルメットをかぶっていたので、
土木作業の仕事をしているに違いありません。

無口なご主人は、わたしがどこから来たのか、
何しているのかまったく興味のない様子でした。(*_*;
でも黙って映りの悪いテレビを見ながら
わたしにビールを注いでくれて、
ご飯とうどんもご馳走になりました。。(^^)/

静かな山里の集落。
まだ足は痛いですけどひっそりと眠りに就きました。

〔この日使ったお金〕 牛乳¥35 アイスクリーム¥30 合計¥65


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【最後の難所Ⅱ】

1970年9月1日(火)
ご主人が仕事に出かける音で目が覚めました。
考えてみれば今日は高校の始業式 |д゚)
足の腫れも引いたようなので今日は走れるところまで行きたいと思います。

しかしここは越後山脈の麓、
三国峠越えが最後の難関になりそうです。

お礼を言って出発。
いきなりの急坂も自転車から降りることなく、意地でペダルを漕ぎました。

涙が出るほど辛い上り坂の連続でしたが、
やっとのことで三国トンネルをくぐり、峠を越えました。
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気持ちいい~~~
下り坂は自転車の醍醐味です。
この気持ち良さを体感するために上り坂を頑張れるのです。
厳しい練習した後にそれが実践で活用されることと共通・・・
こじつけかな(*^^*)
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こうして愛車レッド号は赤谷湖から猿ヶ京、沼田に進み、
渋川を抜けて前橋まで来たところで陽が傾いてきました。

交差点で地図を見つめていたところ、
知らないお兄さんが「どこまで行くの?」と声をかけてきました。

日本一周しているなど事情を話して、
今夜泊まれそうなところを探していると言うと、
「うちでよければ泊まんなよ!」と優しい言葉。
一緒に家までついて行きました。
そんなに広くないアパートでした。

外に出て定食をご馳走になり、部屋に戻ると若い女性がいました。('_')
どうやら彼女と同棲している様子。
当然のことながら二人は自転車旅行のことを興味深く聞いてきました。

二人が寝るベッドにはカーテンがあり、締めていましたが、
疲れていたのでガソゴソという音は気にならず?(*_*;
しっかりと寝ました。(^_^)

いよいよ明日は自転車旅行最終日、ゴールです。
ギター弾けます、両親に会えます。!(^^)!

〔この日使ったお金〕
パン2個¥40 牛乳¥35 アイスクリーム¥30 合計¥105




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by ymweb | 2016-06-25 17:51 | じゃずぎたりすと物語