宮之上貴昭執筆による長期連載


by ymweb
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じゃずぎたりすと物語 53話 〈死体が!〉

執筆中の「じゃずぎたりすと物語」は中盤から
「自転車日本一周旅行記」に変わりかけちゃっていますが、(^^;
私にとって15歳~16歳にかけての自転車日本一周旅行は、
体力作りはもとより、根性や気力といった精神態度の原点ともなっています。
まだまだ皆さんにお聞かせしたい、
ハラハラ、ドキドキ、ワクワクの出来事がたくさんあります。
完走するまで引き続き読んでくだされば嬉しく思います。

※記載してある情報は詳細に書き記された当時の日記からのものです。

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じゃずぎたりすと物語 53話 〈死体が!〉

1969年8月6日(水)

寒い、あまり眠れない。
リーーンと目覚ましが鳴ったけど、もう少し、と思ったのが間違いのもとだった。
結局起きたのは8時30分で、顔も洗わずに荷物を整えた。
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出発は9時。
寝坊のバチが当り? 国道232号線は自転車にとって最も走りにくい、
石ころだらけの砂利道がずっと続きました。

何度も転びそうになりながら必死にペダルを漕いでいたところ、
ザザーッと大きなトラックが横に止まり、「乗っていくか??」
メガネをかけた優しそうな運転手でした。
たくさんの荷物を積んだ重い私の自転車を一緒に荷台に乗せて出発。
遠別という町までの17キロの短い道のりでしたが、
その先は道路が舗装されていたので助かりました。

北海道らしいと言えばそうかもしれませんが、
左手遠くには日本海が見えるものの、まさに原野の中を走っています。

寂しい光景が、いくらか行き交う車が増えてきたと思うと、
愛車レッド号は今日の目的地、天塩市内に入りました。

早速今宵の宿探しのためにお寺を探してみることにしました。
※テントなどの野営道具も携帯していますが、
セッティングや片付けなどの時間と労力を考えれば、
お寺の本堂などに泊めていただく方がはるかに楽なのです。

1軒目に訪ねたお寺は断られてしまいましたが、
「鏡沼」というところに釣り人などが無料で泊まる寺があると聞き、
そこに行ってみることにしました。

訳を話して宿泊の交渉してみるとすんなりOKしてくれました。
それだけでなく、夕飯もビールもご馳走してくれました。
僕未成年ですが。(^^;
言葉はきついけど心が優しそうな住職です。

食後の散歩にそこの子供が沼に案内してくれるというので自転車2台で出かけました。
ずっと独り旅している私にとって鏡沼は何とも寒々しく荒涼たる光景で、
ぼんやり眺めていると寂しさが増してきました。

すっかり陽も落ちて辺りが真っ暗になり始めたころ寺に戻ると、
境内には4,5人の人がざわざわと話しをしています。

子供が僕の耳に小声で「死体が来た!」と話してくれました。
(そうか、ここはお寺だった)とあらためて思い直しました。

死体は40代の男性で、河岸工事で生き埋めになったそうです。
見れば正面の部屋には布団が敷いてあって、顔の部分は白い布で覆われています。

でも、あれっ??
あの部屋は私に用意してくれた部屋の隣? (☉౪ ⊙)プギャー!!!!

この日は訃報を聞いて駆けつけた親戚や知り合いなどで、
夜遅くまで話し声が聞こえていました。

一方私はと言えば。。。
そんなことも忘れそうなくらい疲れがピークに達していて布団に入るやいなや爆睡。
ご馳走になったビールのせいか、夜中にオシッコがしたくなって寝ぼけマナコでトイレに。
こっちが廊下だと思って襖を開けて歩くと、敷いてある布団につまづきました。
「すみません、間違えました」そう言って逆方向の廊下からトイレに行きましたが、
トイレから戻って寝床に入った時にふと考えました。
(何で私の布団と反対向きに敷いてあるんだ?)

あっ、そうか!さっきのは死体だったんだ、ナルホド。
そしてすぐまた寝入りました。
疲労は恐怖をも乗り越えちゃいますね。(^^;

間もなく宮之上少年は日本最北端の地に!

                 つづく

[今日使ったお金]
豆パン100円、ソーセージ50円、アイス2個40円、グレープサイダー35円
合計225円
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by ymweb | 2011-12-20 13:26 | じゃずぎたりすと物語