宮之上貴昭執筆による長期連載


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〈じゃずぎたりすと物語 49 君は何を長万部!〉

〈じゃずぎたりすと物語 49 君は何を長万部!〉
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目覚ましはどういうわけか鳴らなかったけど、
習慣から6時半に起床。
昨日の睡眠不足をすっかり解消しました。

朝ごはんを一番乗りで食べに行った。
少し予算オーバーな宿泊場所だったので、
元をとろうと?ご飯三膳と味噌汁二杯を胃袋に収めて、
宿泊料の900円をあまり感じの良くないおばちゃんに払って、
支度を整えて、そそくさと出発。

今日は残念ながら特異な形をした山頂は雲に隠れていましたが、
駒ケ岳の雄大な裾野を右に見て、国道5号を北上。
駅弁の「いか飯」ですっかり有名になった森町を過ぎると、
右手には海が広がりました。
対面の室蘭まで大きく弧を描いている内浦湾(噴火湾)です。
海を眺めながらしばらく走ると、何と何と砂利道になりました。
1級国道の5号線ですよ! 砂利??
砂利道は走りにくくて厄介なのですが、そんなことより、
5号線に砂利道があることに衝撃を覚えました。

蛯谷(えびたに)という所まで進んで昼食。
スペシャルサンドという名前のついた普通のパンを買って、
海を見ながら休憩しました。

この辺りはひなびた漁村で、交通量はけっこうあるのだけれど、
うら寂しい景色だ。

道も良くなって快適に八雲まで進んでくると、
そちらこちらにサイロのある家が多く見られます。
私は北海道の新鮮な牛乳というのを飲んでみたくて、
サイロのある家に飛び込んでみました。

ノックして出てきたのは中年の奥さんで、
突然の訪問者にも快く対応してくださり、
冷蔵庫から牛乳を持ってきてくれてご馳走してくれました。

コップの上に脂肪が浮いています。
濃い。 でも少し焦げ臭いな。。。
当然口には出さないものの、率直な感想でした。

乳を搾った後はそのまま飲むことはせず、
殺菌のため軽く沸かしてから飲むそうです。
今朝は少し沸かし過ぎたらしいということで納得。

実は気になっていた質問にも答えてくれました。
牧場の家の屋根が何故「八」の字の形をしているのか、
それは牛の餌となる牧草を蓄えておくスペースのためだそうです。
なるほど、それで屋根の部分が上に膨らんでいるのです。

目論見どおり?牛乳もご馳走になり、
ついでに元気もいただいて再び出発。

ペダルを踏み込む足も力強さが増しました。
と思ったのも束の間、
後ろを振り返るとサイクリストがピタッと着いて来ています。
私を追い越すわけでもなく、挨拶をしてくるわけでもありません。
「ヒョーッヒョ~ ヒョッヒョ~ 」
そんな奇声を発しながらペダルを漕いでいます。
パーカーで顔の上半分をすっぽり覆っているので人相がつかめません。
何なんだこいつ。。。
とても不気味でした。

国縫(くんぬい)というところまで来ると、
ひょっとすると昼食を取るためか、彼の姿は見えませんでした。

私も疲れたので商店に入って休憩を取ることにしました。
「すいません~~」
出てきたのは私と同い年くらいの女性でした。

か、可愛い。。。

ちょっと緊張してしまい、いつもより低音の声になって
「あの。。ファンタとアイスクリームください」

ジャズとギターのことしか頭にない16歳の宮之上少年。
東京に帰っても、もちろん「彼女」なんているはずもありあません。
でも、こうしてあちこちでほのかな情愛を抱くことによって、
恋愛面でも確実に大人に成長しているのかもしれません。
なんちゃって。

右手に海、左手には牧場が広がっていて、
イメージした通りの北海道らしい景色が続いていますが、
「太平洋牧場」という牧場はその広大さがとりわけ印象的でした。

長万部(おしゃまんべ)の街に着いたのは午後2時。
遅めの昼食に「大盛りそば」を食べて、
もう少し先に進むかこの街に宿泊するか迷っていました。
少し中途半端な時間なのです。

小用がしたくなり、トイレを探しているうちに、
普通の民家のようなお寺に行き着きました。
トイレを借りるついでに今夜の宿泊も頼んでみたら、
「どうぞ」と快くOKの返事。

本堂の脇の部屋に上がって荷物を降ろしていると、
お寺の住職が宿泊名簿を持ってきました。

夏休みに時期には、全国から旅行者が来て、
私のように無料で泊めてくれという人も多いようだ。

実のところ今宵の宿泊者は私一人ではなく、
昨夜から泊まっているという青年の旅人がもう一人いました。
新潟から650ccのバイクで旅行しているそうです。
少し吃音の気があるようですが、
一生懸命聞けば彼の話したいことが分かります。
あなたは何を「おしゃまんべ?」 あっ、失礼。
とても真面目ないい人でした。

長万部の名物はもちろん「毛がに」
駅を挟んだ国道沿いには
「毛がに」と書かれたのぼりを立てた店が林立しています。

私も覗いて見ることにしました。

大きさによって50円から500円まで様々の値段が付いています。
80円の蟹を買い込んで宿に戻り、早速食べました。

身の味が濃厚で、こんなに小さいのに卵(内子)も入っていて、
思ったよりずっと食べがいがあります
こうして隅から隅までほじくって80円の毛がにを堪能しました。
しばし部屋でのんびりして明日からの計画を練り、
夕食には「ときわ食堂」という店に入って
「鍋焼きうどん」を注文しました。
店が臭くって、長く待たせた上にまずかった。

【遣ったお金】 宿泊料¥900 パン2つ¥40 ファンタ¥30 
アイスクリーム2個¥20 牛乳¥27 大盛りそば¥120 毛がに¥80
鍋焼きうどん¥130 合計¥1347
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by ymweb | 2010-01-26 22:49